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2017年09月04日(月)

いわゆる『死後離婚』について

  交通事故で20年連れ添った夫に先立たれたA子さん(45歳)から、
 「仲の良くない姑や夫の姉と縁を切る方法はないのですか。」との相談を受けました。
  この点を考えてみました。 

1 最近は、二兄弟や一人っ子の場合も多いことから、夫又は妻に先立たれた方
 (=「生存配偶者」という無粋な言い方をします。)から、
 配偶者死亡後のその親族との関係について相談を受けるケースがあります。

2 世間的には、このようなケースは「死後離婚」と言われているようですが、
「離婚」はあくまで、夫婦当事者が生きている間の問題であり、
「死後」の離婚などというのは、法律的にはあり得ません。

  いわゆる「死後離婚」というのは、生存配偶者が義理の父母や
 義理の兄弟との「縁」を切ること(あるいは、より現実的な問題としては、
 夫の死亡後は、夫と一緒の墓には入りたくない、という妻側の思いから、
 「死後離婚」といった言い方がされるのかもしれません。)を、
 通常の離婚になぞらえて言っているのかもしれません。
  生存配偶者が義理の父母や義理の兄弟との「縁」を切る、との意味であれば、
 その手続は、民法第728条2項「姻族関係終了の意思表示」ということになります。
 この姻族関係終了の意思表示は、生存配偶者の本籍地の市町村役場窓口に
 届出をすることになります。

3 姻族関係終了の届出をすることのメリットは何でしょうか。

  そもそも「姻族」と言うのは、簡単に言えば自身から見た「配偶者」の親、
 兄弟等を指します。結婚をすると、相手方配偶者の親や兄弟と親戚付き合いをするわけですが、
 民法は義理の父母、義理の兄弟など三親等内の「姻族」を「親族」としています(民法第725条3号、
 ちなみに、血のつながった自身の父母、兄弟は「血族」といいます。
 「親族」というのは、この自身の血のつながった6親等内の血族のほか、
 3親等内の「姻族」を含むものであり、
 「親族」は「血族」と「姻族」を含んだ上位概念になります。民法725条)。

  民法は、第730条において、道義的義務としてではありますが、
 「直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。」と定めています。
 この規定自体は、道徳規定であり、この規定から直ちに何らかの扶助を強制されることは
 ありませが、場合によっては家庭裁判所の審判により、姻族関係のある生存配偶者は、
 義理の父母の扶養義務を負わされることも想定され得るところです(民法第877条2項)。
 「姻族関係終了の意思表示」とは、このような配偶者死亡後における
 死亡配偶者の姻族との関係を解消する手続なのです。

  ちなみに、協議離婚であれ裁判離婚であれ、両当事者が生前に通常の離婚をした場合は、
 民法第728条1項で当然に姻族関係は終了する旨定められていますので、
 姻族関係終了の届出は不要です。

4 ところで、姻族関係終了の意思表示がなされるのは、その多くが女性側からだと言われています。
 その届出数は、平成22年度の1911件から平成27年度で2783件と、
 約1.5倍に増加しているとの統計もあります。

  確かに、女性の平均寿命が長い以上、女性からの届け出が多数に上るのもわかりますが、
 いわゆる死後「離婚」という言い方がなされるのは、先にも指摘したように、
 夫の死亡後は、夫と一緒の墓には入りたくない、という妻側の思いが
 「離婚」という言葉に込められているのかもしれません。

  しかしながら、そうであるとすれば、その希望自体は姻族関係終了の問題ではなく、
 単に自分の死後の葬儀方法、埋葬場所の指定にかかわる問題です。
  従って、遺言書にその旨を明記すれば、あえて姻族関係終了届を提出しないでも
 墓を別々にすることは可能です。

 奥さんに死後も寄り添ってほしいと願うのは、高望みというものなのかもしれません・・・。
 
  

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